思考法としての抽象化

前々から思考法として抽象化を勉強したいと考えていたので、抽象化を扱った本を読書。

最強の思考法 「抽象化する力」の講義 的場 昭弘

最強の思考法 「抽象化する力」の講義

最強の思考法 「抽象化する力」の講義

 

非常に読み応えのあるもので満足度が高かった。

満足度の高いもののため、あえて言うが、タイトルは完全に釣り。

最強の思考法(〇〇の思考法)→抽象化する力(〇〇力)という並びを見ると、よくあるビジネス書と言うイメージを抱くが、はじめにの冒頭でマニュアル本でないと言及。

内容も抽象化メインと言うよりは、もっと射程が広く、固め(しかし、読み易い)の学問論といった感じであった。

一番印象的だったのは、修辞学(レトリック)を取り扱っていたということだ。

途中ででてくるジャンバッティスタ・ヴィーコの言葉は、メモをとった。

具体と抽象 細谷 功

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

 

 読み易く、分量も少ない割に具体と抽象のトピックの大さに驚く。

面白かったのは、俳句や短歌も抽象化の産物であると言っている点だ。

字数制限→物事をシンプルにする。+たとえ話などだ。

思考法として抽象化を使うには

二冊を読んでいて思ったことだが、抽象化を実際に使っていくには、取り敢えず「可能な範囲(可能限)で言い切る」ということが手っ取り早いのではないだろうか。

ある事象を説明するのによく、全体を捉えていないとか、上手くまとまっていないと思い、二の足を踏むことがある。しかし、そんなことをしていては先に進めず、オリジナルな意見も産まれない。素早く自分が思考できる範囲で物事を進め、可能限の範囲で素早くまとめていくのが重要ではないか。もっと強引にツッコミどころがあっても言い切るのが重要ではないか。そんなことも許容できるのではないかと思った。

やり抜く力(GRIT)

何を始めても中途半端になりがちな為、やり抜く力(GRIT)関連の本を読書。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける  アンジェラ・ダックワース

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

この本のメッセージを一言でいうと。

「成功するためには、やり抜く力が必要。やり抜く力は鍛えられる。」だ。

結果的に読まなくても、分かるようなそのままのメッセージだが読んでよかった。

非常に勇気づけられたのは「意図的な練習」を説明している箇所である。

そこで、言及されているのは、「意図的な練習」は”しんどい”ということだ。

練習=勉強=アウトプットのためのインプット、といい変えても良いと思うが、どこか成功者の練習過程は楽しく、楽しいので成功できるというようなことを思っていた。

それは、ミハイ・チクセントミハイの「フロー体験」を念頭に考えていたが、本書ではその点も言及があり、結論としてこう結んでいる。

「意図的な練習」は準備の段階で、フローは本番で経験するものだと言える。

「意図的な練習」はしんどい。やり抜く力を鍛えよう。

 アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力」

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やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 ハイディ・グラント・ハルバーソン 

やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学

やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学

 

「やり抜く人」と書いてあるため、GRIT関係の書籍かと思ったが、邦訳がそうなだけ?で、どちらかというと成功の科学を扱った本。(GRITよりも上位カテゴリ)

GRITするにはどうするかという内容であった。

印象に残ったのは、「目標を具体的」にするという点で、「目標の表現の仕方」で結果が変わるということだ。

分量が少ないため詳細にまとめたりしないが、実際1時間で読めたので、また何回か読み返したい。

世界の経済学 50の名著(7月27日〜8月2日)

映画

おとなの恋は、まわり道

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ジュリアン

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世界の経済学 50の名著 

世界の経済学 50の名著 (LIBERAL ARTS COLLEGE)

世界の経済学 50の名著 (LIBERAL ARTS COLLEGE)

 

バズる文章教室(7月20日〜7月26日)

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

文芸オタクの私が教える バズる文章教室

 

会計本二冊

同時期、よく行く本屋の推してる書籍コーナーで隣通し展開されていたため、二冊読みました。

会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか ルートポート

会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか

会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか

 

 ・ダーウィンの「結婚の貸借対照表」→「いずれにせよ、犬よりはマシ」

・「空白の石版」仮説→人に生まれつきの思考、行動様式はなく後天的に学習し獲得したものとする仮説。

・歴史研究家が客観的な科学者であることは難しく、フィクションの要素を回避できないとおわりに言及していた部分、好感が持てました。

 

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語 田中 靖浩 

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

 

 ・構成がとにかく整っている。三部構成。三章展開。3枚の絵画→3つの発明→3つの名曲。加えて、〜革命縛り。

・同時期に産まれたジャズと管理会計をどちらも「アドリブ重視」とするのが上手い。

・守りの財務会計と攻めの管理会計は勉強になった。

二冊の特徴

・同じ会計の歴史を扱った書籍ということで、簿記の誕生から会計の発展など同じ内容を取り扱っている部分も確かにありますが、二冊読み終わって改めて考えてみると被っている部分は少ないように感じます。

・本のサブタイトルからもわかりますが「会計が動かす世界の歴史」は、ダーウィンの進化論への言及など人文科学系のアプローチに対して、「会計の世界史」はビジネス教養書といった趣きが強い傾向にありました。

・普段どちらかというと人文科学系の本を多く読んでいる自分にとって「会計の世界史」の方が得るものが多かった印象です。しかし、「会計が動かす世界の歴史」もハッとさせられる部分は多いので二冊読んで良かったと思える読書体験となりました。(自己完結)